渓流釣りをする中で自分で作った道具で釣り歩きたいと思う方は多いんじゃないでしょうか。今回はたくさんある道具の中でもランディングネットにスポットを当てていこうと思います。
まずは、ランディングネットの材料から作っていく工程について話していき、工程別で別記事にて詳しく説明していこうと思います。
ランディングネットのサイズと形
フレームサイズ
フレームサイズについては、ターゲットとなる魚種によって変わってくる。アマゴ、イワナ、ヤマメ、アメマス、ニジマス、イトウ・・・それぞれ成魚の体長が違う。
渓流などの小型の魚種では直径25~35㎝ほどのランディングネットで十分活躍してくれます。
大型になるアメマス、ニジマスなどの場合には直径40~60㎝ほどのランディングネットが必要となります。
イトウとなると大型で120㎝ほどにもなるので、直径は60㎝以上で網の深さも70㎝は欲しい。ですが、初めてランディングネットを作るには少しレベルや値段も高くなるのでおすすめできません。
フレームの形
・丸形
・オーバル型
フレームの形はそれぞれ好みがあるのでどっちがいいとは言いきれません。インスタやネット、実際に使用している人などに聞いたりなとでして、自分好みのランディングネットを探してみてください。
グリップの形
基本的な形は
・ストレート(ラケット)
・カーブ(楕円形)
どちらも魅力的な形ですが、作りやすいのはストレート、少し難しいのはカーブ型ですかね。こちらも好みがありますので検討してください。
ちなみに私はカーブ型を使用しています。ストレートよりもネットインしやすいように感じます。あとは見栄えがいいことですね。
グリップとフレーム材との接地面をしっかりと合わせないと強度も落ちます。しっかり接着しようと無理して圧着するとグリップが割れてしまったりフレームのゆがみの原因にもなるので、グリップ作りはランディングネットの作成で重要な部材となります。
材料の調達
フレームのサイズ、グリップの形が決まれば、次はフレーム材を何の木材にするかグリップ材はどうするかを決めていきます。
フレーム材に使われている主な材料は
どれも木材の色がハッキリしている材料が好まれています。いろいろな組み合わせによってさまざまなデザインのフレームを作ることができます。
グリップ材の主な材料
自作している方たちでよく使われている材料になります。とくにバール(瘤)は花梨などが人気が高く、塗装すると美しい木目が浮き出てきて人気があります。これらの材料は硬く加工は大変かと思いますが、木目が美しく、フレームとグリップのいろいろな組み合わせによって自分だけのランディングネットを作ることができます。
どこで材料を仕入れするのか
材料は、木材屋や製材屋などに直接頼むのもいいですが、ネットでランディングネットの自作に必要な木材から塗料まで販売している会社があります。私もランディングネット材を取り扱っている木材屋に連絡をして直接仕入れに行ったりしています。
・ランディングネット専用の材料をネット販売している木材屋
プロからアマチュアまで利用されているショップでランディングネットの自作に必要な木材から塗料、道具まで、ここのサイトを訪れれば材料の仕入れから作り方まで分かりやすく説明しています。
枠材の種類が豊富でさまざまなデザインのランディングネットを作ることができます。
グリップ制作
材料を仕入れたらいよいよ制作の開始です。まずは、グリップ材から制作していきます。最初にグリップから作る理由はグリップの形によって枠の形が決まってくるからです。いくら図面を書いてもピッタリとはなかなかいかないものです。
型作り
枠材の曲げ加工と接着に使用する型を作ります。事前に作っておいたグリップ材に枠材の幅と同じか厚みのある板材で型を作っていきます。私は18㎜のランバーコアを使用しています。
フレームの曲木
曲木加工にはいろいろな方法があります。自分のできる環境などを考慮して選んでいきましょう。
- お湯を入れた浴槽にどぶずけ
- ベンディングアイロン
- アイロンで蒸す
・浴槽のどぶずけは想像の通りです。浴槽にお湯を張り、材料が折れないように慎重に入れていきます。時間については、材料にもよりますが、15分~30分を目安としてください。
・ベンディングアイロンはガスコンロに乗せて使用する枠材の曲げ作業専用の道具になります。
・アイロンでの曲木については、枠材に水をしっかり含ませたタオルを巻きその上からさらにアルミホイルで巻いていき、アイロンで蒸していくことで曲木を容易にすることができます。温度は高温で1㎜に対して1分がアイロンを当てる時間の基本となります。
フレーム材の曲げ作業と接着
曲木
フレーム材をしっかりと乾燥させたらグリップ材とフレー材を接着していきます。
乾燥期間は場所や季節によりますが最低でも3週間は置いておきましょう。
接着
画像のようにクランプはオニのように使います。少しの接着不良が強度の低下=壊れてしまう原因になってしまうので、しっかりと接着しているか確認していき、隙間がある部分にはクランプなどで圧着していきます。
研磨・フレーム材の溝付け・穴あけ
接着剤の規定の完全硬化時間が過ぎたら型枠から外して研磨していきます。接着剤の拭き残しやフレーム材のズレなどをカンナやペーパーで平らにしたらネットを取り付けるための溝と穴あけをしていきます。
*穴あけは塗装によって穴が埋まってしまうので、下塗り塗装後に穴あけをしています。
#100→#180→#240と段階を踏んで研磨していくと綺麗に仕上がります。
研磨作業の道具
ベルトディスクサンダーがあると作業が格段に楽できれいな仕上がりにすることができます。
他にも、研磨ホルダーを自作すれば、電動ドリルなどに取り付ければR部分の研磨が簡単にできます。
写真はボール盤を使っての研磨でブレやズレがなくきれいに仕上げることができます。
溝付け
溝付けは私が一番難儀した作業です。その理由は納得のいく治具がなかなかできなかったからです。
人それぞれの治具があると思いますが、別記事にて解説してしているので参考にしていただけたらうれしいです。
*現在記事を作成中です。少々お待ちください。
塗装
塗装については、オイル塗装、ラッカー塗装と方法がいろいろありますが、作っている環境に合わせて選びましょう。臭いのキツイ塗料は近隣住民とのトラブルになる場合があるので気を付けてください。
FIL craftとして作品の販売を始めました
よければタップしてご覧ください。古材をメインとしたベンチや小物の製作をしています。