ここ最近流行り続けているスタンドバー。主に住宅のDIYで使われていて、DIY好きには重宝されている。そこで、今回はスタンドバーのメリット、デメリットの解説と実際に私がDIYした作品の作り方について解説していきます。
今回DIYした場所は子供部屋のクローゼット。カビやすいこともあり、扉を外して見せられる収納に挑戦しました。
スタンドバーとは
スタンドバーはアイワ金属から発売されDIY好きやこれから始めたい初心者の方でも簡単に取り付けることができる優れもの。ホームセンターにある1×4材を使いあらゆる場所に取り付けることができます。
STAND BAR | PRODUCT | アイワ金属株式会社 (aiwametals.co.jp)
メリット・デメリット
メリット
なんといっても一番の魅力は最大耐荷重70㎏と私が知る限りダントツで№1!
使用例は
- 壁掛けTV
- キャットウォーク
- 自転車の壁掛け
- 洋服収納
- デスクの壁面収納
など、家の中でのさまざまな場所や環境に対して安心して使うことができます。
さらに、使用できる木材は1×4材。日本全国のホームセンターで安価で入手できDIYができます。1×4材(1800×90×20)以外にも同じようなサイズの木材なら使用ができるため、個性あふれるあなただけの収納スペースを作ることができます。
デメリット
今回使ってみて感じたデメリットは2つ。
1.壁と1×4材の間に隙間ができて目立つのとホコリが溜まるが狭いので掃除がしずらい
2.スタンドバー6個すべてを使う場合、クロスピンを54本打ち込まないといけないので想像以上に時間と手間がかかる
図面
クローゼットのハンガーパイプの関係で長さを1660㎜にカットしています。
作業手順と使った道具
作業手順
- 1×4材穴あけ
- 研磨(面取り)
- 丸棒加工
- 板材の加工(1×4材)
- 塗装
使った道具、材料
道具
- 電動ドリル(ボール盤)
- 穴あけドリル(※18㎜)
- トリマー
- 手ノコ(丸ノコ)
- ペーパー(#100~#180)
材料
- 1×4材(5枚)
- 丸棒(※18㎜程度と20㎜~25㎜)
- 塗料(好きな色)
※ドリルの大きさは丸棒の大きさに合わせてください。丸棒を研磨する場合は1㎜~0.5㎜小さめのドリルで穴あけすると緩すぎの失敗は起こりずらくなります。
1×4材の穴あけ
まずは墨付けから行います。穴のピッチは好きな間隔でかまいません。今回は200㎜ピッチで行います。写真ではボール盤を使っていますが、フリーハンドでも問題ありません。
きれいな穴をあける方法
ドリルにこだわる!
ドリルといってもたくさんの種類があります。今回は貫通穴に適したドリルを紹介します。
・F型ショートドリル
先端が尖っていて位置決めもしやすく、バリが出ずらく穴あけに適したドリルです。
・木工用ショートドリル
先端が尖っていて位置決めがしやすく、ネジになっているので楽に穴あけができるのが特徴です。
・ボアビット
今回私が使ったのはボアビット。この使う用途は、スライド丁番など貫通させずに穴あけ作業がしたい場合に使用するのが一般的ですが、貫通穴を空ける場合にも問題なく使えます。ちょうどいい大きさのドリルが無かったのでこちらを使いました。
・竹用ドリル
先端が尖っていて位置決めしやすく、なんといってもバリが出ずらくきれいな穴あけができるのが一番の特徴、ここはきれいな穴あけがしたい!という場合に活躍してくれます。よく使うサイズがあるなら1本持っていても損はしません。
材料の下にベニヤなどの材料を敷く!
これはとくに大事で、あるのとないとでは大きな差ができます。ない状態で穴あけを行った場合、必ずささくれができます。ひどい時は材料が補修できないほどのむしれた状態になる可能性があるので、そういうことを避けるためにもベニヤなどの端材を置いて行いましょう。
面取り
ここでのこだわりは穴を空けたあとの面取り。今回はきれいに仕上げるためにトリマーを使いました。
ビットはというと、先日購入したこちら
セール期間で安く購入できました。今のところギンナン、ストレート、Rビットは切れ味もよく、ブレもない。
この中の面取りビットを使用して面取りをしていきます。
面取りには少し大きめなビットですが、問題なくきれいに面取りできます。この面取りの意味は丸棒を入りやすくするのと見栄えです。面を取っていないのと取ってあるのとでは見た目の柔らかさが変わってきてDIYのレベルを上げてくれるひと手間になります。
丸棒の加工
丸棒はホームセンターで購入。少し粗かったので研磨をすることに。
使った治具はこちら
右下のビスにインパクトか電動ドライバーで木工旋盤のように回転(逆回転)させて研磨することができます。
研磨が終わればカットします。研磨した棒と一回り大きいサイズの棒も用意してカット。この一回り大きいサイズを接着する理由は、ものを引っかけた際にズレ落ちるのを防ぐためです。必要なければなくても問題ありません。あとは木工ボンドで圧着して、完全に乾いたら研磨して完成です。
板材の加工
1×4材の準備と接着
今回は棚も付けていくので、1×4材を剥ぎ合わせていきます。剥ぎ合わせ作業の前に材料の継ぎ目になる部分のカナテの確認と隙間の確認を行います。カナテが合ってなければ板材がくの字に曲がって状態で接着されてしまうので、鉋などでカナテを治していきましょう。
今回はダボやビスケットジョイントなどの加工はせず、そのまま接着しました。使ったボンドは”ゴリラウッドグルー”接着力があるので強い衝撃や重いものを乗せない限り問題ありません。
キャットウォークを作った際にも同じボンドを使い検証済み。
クランプを使い、目違いを治しながら締め付けていきます。あとは、はみ出たボンドを拭き取って乾燥待ちです。
板材のカットとズレ止め
完全にボンドが乾いたらカットしていき、次にズレ止めの加工です。
ウォールラックの棒に乗せるのでズレて落ちないようにトリマーで溝を付けていきます。使ったビットはストレートの18㎜を使用。
写真のように真っ直ぐな加工ができるように、溝付けするラインにそって板材などを固定して、トリマーをその部材に当てながら加工していきます。トリマーが暴れることなく安定して溝付けを行うことができます。溝の深さは5㎜。2回に分けて削っていきます。
加工が終われば研磨して塗装前の作業は終了になります。
塗装
今回の塗装にはDCMの水性マルチスプレーのマットクリヤを使用しました。
まずは壁に固定する方の材料から塗装。
次に棚に使う棒と引っかけの棒を塗装していきます。こういう細かい部材や丸い棒などは倒れたり、転がったりと塗りずらいですよね。
そこで、使ったのが段ボールと画鋲です。
写真のように段ボールの裏面に画鋲を刺していき塗装する部材を刺していけば倒れる心配はありません。しかし、画鋲で穴を空けたくない場合は使えない方法です。
次に棚板の塗装です。棚板は青色にしてみました。塗り方はスプレーではなく同じく水性塗料でハケ塗りで行います。
ここでのポイントはハケ塗りした直後にウエスで拭き取ることです。そうすることで木目をきれいに浮き出すことができます。しかし、拭き取るということで塗料本来の性能が半減する(イメージ)ので最後にクリア塗装をすることを勧めます。
スタンドバーの取り付け
いよいよスタンドバーの登場です。
まずは、木材側のパーツから取り付けていきます。付け方は簡単。付属のネジを使い木材の対して直角に取り付けます。
ここでの注意するポイントは上下のパーツの取り付け位置です。上部の100㎜以内の取り付け位置を無視すると、このようなことが起きる可能性があります。
取り付けが終われば付けたい場所に行き、壁側に取り付ける準備をします。この準備には付属の壁側パーツとマーカーを使います。パーツにマーカーをはめ込んで木材側のパーツにセットします。
次に取り付ける位置をマスキングを壁に貼るなどして位置を決めていきます。ここでも注意事項があります。
開きすぎると棚が沈んでしまう
近すぎると棚の端が沈んでしまいます
棚の出具合は150㎜程度におさえ、棚板に負担のかからないバランスの良い位置にしましょう。あとは水平器などを使い垂直の確認をしながら取り付ける位置を慎重に決めていきます。
位置が決まればマーカーを壁に押し込んで印を付けて、壁側のパーツを付属のクロスピンで差し込んで取り付けていきます。ここでも垂直を意識して取り付けていきます。
間隔的に2㎜程度のあそびがあるようなので、そこまでの精度は必要ないように感じます。
いよいよ最終段階です。木材側を取り付けて好きな位置に作った棒を差し込んで、棚を乗せて完成です。
まとめ
専用の棚受け金具(別売り)を使えば棚の固定などは簡単で丈夫ですが、今回DIYした場所は子供部屋。成長とともに引っかけたり置く物が変化していくことが予想されるので、簡単に掛ける位置を移動できるよう工夫しました。皆さんも是非ウォールラックDIYに挑戦してみてください。